2010/07/11

保育園には行かない

「お母さんはぼくを置いていっちゃダメなの」
2日目の帰り道、自転車の後ろの席から獅子丸が言う。

初日、なんとが無事に終え、おお、思ったよりも楽勝? なんて思っていたけれど、やはりそうは問屋が卸さなかった。

晴れた日は近所の公園に行くので、肩からかけられる水筒が必要と言われた初日。
さっそく新しく買ってきて「これ保育園に持っていくよ」「うん♪」みたいな会話が行われた朝。しかし保育園に着いたら「いやだああああ」と泣き叫ぶ。

実は初日、獅子丸の担当の先生がお休みで、代わりの先生が相手をしてくれた。

ああ、これってどうなんだろう、獅子丸的には。

なんかそれって個人的にはなかなか良い感じだなあと思っていたのに、つかまされたのは偽物? みたいな気分。

それに生まれたての獣って、目の前にいる大人を「お母さん」と慕うわけでしょ?
獅子丸もがんばって慕い始めていたのに、「実はお母さんじゃありませ〜ん」と言われるのもねえ。

担当の先生も悪い人ではないし、これから付き合っていく上で仲良くなるとは思うが、時間がかかりそうだよなという印象は否めない。

2日目は30分近く一緒にいて、置いてきた。
久々に見た、獅子丸の大泣き。

そして2日目も食事せず。
白いご飯が出たのに「ふりかけがないと食べられない」ということで、お茶のみ飲む。でも2日目はみんなと一緒にテーブルに着いたとのこと。ってことは、初日は席に着かなかったってことか?

昼寝の時間にやはり泣いて、こんな会話がなされたそうで。

「ニューヨークに帰りたい」
「いいね、先生もニューヨークに行きたいな」
「えー、どうして?」

ま、住んでいるものとしてみれば、ニューヨークに行きたいと他人が言うのが不思議だろうし、ニューヨークを知っているというのも理解できないことかもしれない。距離感がまだつかめていない時期。

その日は午前中にどろんこ遊びして疲れたせいもあるのか、先生に背中をとんとんされて寝たようだ。

3日目は朝から「行かない。獅子丸は行かないの!」と主張。
しかしおかんは連れて行くから。

しぶしぶ諦めて自転車に乗って、保育園まで。
無言の獅子丸。いったい何を思っているんだろうか。
保育園のビルの下で「自転車から降りない」と言い張ったけれど、近くの踏切で電車が通過するのを見てから、階段を上がり始める。

扉を開けたら、みんながいる部屋の中に入りたくないと叫ぶ。
どうやら獅子丸は大人数の中でぐちゃっと遊ぶのがいやみたい。
そういえば2日目も、となりの自分のクラスに行きたいと言っていたっけ。

いやだ、いやだ、いやだ、行かないの。
獅子丸の靴をあそこ(下駄箱の中)に入れないの。入れちゃダメなの。


「そういえばH(あたしの兄)も、幼稚園に行きたくないって、テーブルの柱に毎朝しがみついていたわね」と母。「友だちのKくんも泣き叫んでいたって言うし」

「うちもさあ、最初の1ヶ月目は泣き叫んで大変だったよ。やっと慣れたな、と思ったところでGWに入ってまた振り出しに戻ってね」と、去年の4月から保育園に通い出した友だちの息子くんの話。

「女の子のほうが精神的に大人だからね」というのが男の子を持つ親の共通意見。

慣れるまで1ヶ月くらいかかるのかなあ。
獅子丸の行っているニューヨークの学校とはまったく違うし。

と言っても、3日目は初日にいてくれた先生がいたし、お散歩のときにはしっかりもののお気に入りのYちゃん(実は一つ年上ということが判明)とおててをつないでお散歩に行って、楽しかったようだ。

ランチは相変わらず食べなかったようだけれど、いいよ、もう。
かたくなな獅子丸だけど、お腹が空けば食べるだろうし。

「じゃあぼく、もう帰るからね」と、朝大泣きしたのがウソのように、クラスメイトに言っていた獅子丸。

なんだ、5時半くらいの遅い時間のピックアップになっちゃったけれど、大丈夫そうじゃん。楽しそうじゃない。

「うん、楽しかったよ」

おお、笑顔がきらきらしていうぞ。
そうかー、よかったぞー。
先生にもちゃんとさようならの挨拶してるじゃん。

「でももう行かない」

新しい週の幕開け。
先はまだまだ長そうだ。





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