ああ、帰って来ちゃったよ。
まるで夢のようだった日本滞在よ、さようなら〜。
冷蔵庫を開けてみればアメリカ食ばかり(当たり前)。
今日(10日)さっそくスーパーに行って、お米やら豆腐やらを購入。
ついでに図書館で、日本で気に入って何度も何度も読んでいた英語の絵本も借りてこよう。
その図書館で、けっきょく見つからなかったけれど他の本を借りることになり。
獅子丸、カウンターでお兄さんに渡して、チェックしてもらって受け取って。
「獅子丸、お兄さんに何ていうのかな」
「ありがとう」
と、がっつり日本語で返事。
「サンキューだよ」というと「え?」みたいな顔をした獅子丸。
「ここはニューヨーク?」
「そうだよ」
「日本はどこ?」
「日本はもう遠いところだよ」
「誰も日本語話さないの? 獅子丸とお母さんだけ?」
「そうだね、基本的にはみんな英語だね。でも、獅子丸のお友だちで日本語話す人、いるでしょ?」
と、なんだか納得しているようなしていないような獅子丸。
ぼくちゃん(とーちゃん)には英語で一生懸命話しかけているのにね。
公園でも昔からの女の子の友だちに会って一緒に遊んでいたけれど、なにやら泣き叫んでいる。
聞けば彼女がもっているポニーの人形を貸してもらえないから。
「”貸して”って言えばいいんだよ、”貸して”って」
「お母さん、日本語じゃなくって英語で言わないとわかってもらえないのっ!」
そうなんだ、と妙に納得。
日本に帰る前だったら、日本語であたしが指示したことを、獅子丸は英語で友だちに言えていたのに、今は言えないようになっているんだ。
獅子丸、じつにかたくなな男。
彼の中であたしに対しては日本語(日本語を話す人に対してはってこと)。
英語を話す人に対しては、もちろん英語。
と、決めている様子。
なので、日本に帰っていた時も、母が「獅子丸、ちょっと英語話てみて」とか、母が英語を言うと「えー、ばあばは日本語でしょ、英語じゃないよ」と指摘。
あたしが英語を話すのも「なんでお母さん、ぼくに向かって英語話すの?」的感覚あり。
友だちの旦那がイギリス系カナダ人なんだけれど、彼に会う以外はぜったい、と言っていいほど英語を話さなかった。
NHK教育でやっている『Curious George(おさるのジョージ)』にしても「日本語で見る」と言って見ていたし。ニューヨークで普通に英語で見ているのになあ。
*
よく、バイリンガルを育てるには、親が徹底していかないとダメと言われているけれど、ウチの場合は獅子丸が決めているから、ある意味ラクかも。
もちろん、あたしも徹底はしているけれど、それだけではなく、本人の意志の強さのほうが大切なのかもしれない。
獅子丸、もしかしたらこのまま英語が出てこないかも!?
とはちっとも思っていなくって、1週間もしないうちに何事もなく英語をペラペラ話し出すだろうね。
だって英語が彼の第一言語だし。
それよりも、これからどうやって日本語をキープしていくか。
やっぱりこっちのほうが、重要だな。